戦災殉難慰霊観音像(弥勒寺)

April 5th, 2008

墨田区立川にある弥勒寺は、杉山検校の墓と川上薬師で知られる古刹。[墨田区戦跡マップ(墨田平和委員会)]

門を入ってすぐ左に、大きな観音立像(日展会員片岡静観の作)がある。その下には、3500体もの遺骨がおさめられているという。

墓誌には次のようにある。

 昭和二十年三月九日夜間大空襲により本所深川は全滅廃墟となり死傷するもの亦多く劫火の中に血縁を求めて呼べども自らも倒れ死屍累々と山をなす 終戦と共に平和への悲願をこめて茲に観音像をつくり遺骨三千余体を安置し歳々年々供養の赤心を捧ぐ
 願わくば後人の争うことなく福祉の途を開かれんことを
 昭和四十二年三月十日
 弥勒寺住職 至道 識(しるす)

菊川、立川、千歳の七町会で聖観音会を組織し、1967年(昭和42年)3月10日に建立、犠牲者の遺骨粉が塗り込められているとのこと。

その会はもう解散してしまったが、寺が中心になって追善供養を毎年行っている。住職が資料を作り、「あの晩死んでいった人たちの声なき声をきくように」「若者たちに戦災体験を伝えなければならない」と訴えている。[墨田区戦跡マップ(墨田平和委員会)]


大きな地図で見る

コメントを書く