防火用水(押上三丁目)
July 17th, 2006押上三丁目は改良湯のすぐそばにある民家の軒先に残る防火用水。
このあたりは京島や八広と並んで、比較的空襲の被害が少なかったために戦後もほとんど区画整理がなされず、込み入った路地は家々の敷地の境界を曖昧にし、そこに住む人さえも時には道に迷うというほどのディープな真性下町地帯である。下町といっても谷根千などの半ば観光地化されたそれとは違い、このあたりにはほとんど無自覚に生じる、ある種、人を寄せ付けないリアルな下町の迫力がある。カメラを構えるのがはばかられる空気がある。
この水槽は下町ガーデニングの中に埋もれながらも立派に植木鉢として活用されているが、たまたま出てきたこの家の方に聞くと先代が所有していたものらしく、いつごろからここにあったものかは分からないという。